葬儀は一つの節目

私は以前、冠婚葬祭業で結婚式場や葬式場のスタッフをしていまして、葬式場の花の飾りの祭壇作りの仕事をしていました。

そこではやはりと言いますか、葬式場に入って祭壇を作る時は厳かな気持ちで毎回のように棺の中の故人の方に手を合わせて、頭を下げてから作業に入っていました。

また、葬式場で働いていますから、葬式を多く見学する機会がありました。
その葬式に様々なものがあり、不慮の事故でなくなる方、若い年で亡くなる方などあります。

そういった不幸などで亡くなれた方の葬式はやはり、しめっぽくなり、厳粛な雰囲気で葬式が行われる感じがします。
しかし、それとは逆に90歳以上生きた人とかの、大往生した方の葬式は何故か明るい雰囲気が多いのです。

一般的には、葬式というのは暗い雰囲気で行われるイメージがあり、明るい葬式というのは想像しにくいかもしれません。
また「葬式は厳粛にやる」という意識があると思います。

そのことから、葬儀は故人の弔いの儀式という面と、残された人のために行われる面があると思います。

そして、残された人達のために行われるというのは、悲しみにとらわれずに前向きに生きていくことだと思います。
ただ、前向きに生きていくためにも、葬式の時に泣くことを我慢することは悪いことではないと思います。

葬式の時に笑顔で故人を見送ろうと思う方々は立派だと思いますが、悲しみを我慢して心に溜めておくことは心身において毒になると思います。
それよりも、葬式の時はしっかりと泣いて感情を吐き出すことが、これからの日々を前向きに生きることにつながるのではないでしょうか。
いくら笑顔が大事でも、悲しみを我慢してしまうことは、自身のネガティブの感情と向き合っていないことだと思います。
葬式の時は、故人のことを思い、しっかりと自身の感情に向き合うのが一つの節目の葬儀を乗り越えることだと思うのです。